2013/11/20

物語を断ち切るもの

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朝通勤の車からとなりで信号待ちしているゴミ収集車の青い車体を眺めながら考える。
これは一期一会はおろか宇宙の歴史の中でたった一度しか起きないかけがえのない景色だというのに
それをつまらなく見せているのは僕の脳が作り出す過去と未来を繋ぐ物語の、その過去と未来の単なる連結点としての現在だからだ。

だが実際に幻なのは過去と未来の方で、現在だけが真実なのだ。
物語に感動するのは物語だけで、現実を朝露に光る若葉のようにみずみずしく輝かせるのは前後の脈略から自由になった今だけなのだ。
どんな景色もこの宇宙で一回きり。

そして例えばこの青い車体のみえる景色を写真に撮ってもそれがやっぱりつまらない写真にしか見えないなら、それは被写体が悪いのではなくて切り口とプレゼンテーションの仕方の問題なのだ。
あなたの物語が陳腐だから写真が陳腐なのだ。
それなら物語から断ち切られた恐ろしい世界の真実を見せてくれ。



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