2013/09/05

candid

SDIM0402BW

インドで仕事をされているflickrのコンタクトさんが撮った牛追いする少年の写真にいくつか英語のコメントが付いていて
そのうち2人がcandidという単語を使っていました。

Aさんは"very candid!"
Bさんは"Lovely candid!"

AさんもBさんも写真を称える言葉を添えているということは分かるものの
candidという単語の意味がわからなかったのでリーダーズ英和辞典で調べてみました。

するとこの単語には
率直な, 腹蔵のない; 誠実な, ごまかしのない; 歯に衣きせぬ, 手きびしいという意味と
偏見のない, 公平なという二つの意味があって
さらに「a candid photograph」、あるいは「candid」だけで「スナップ写真」という意味があったんですね。知らなかった!
このお二人はコンタクトさんの写真がとてもスナップ的と感じてこのようなコメントを残したのでしょう。
(僕もfav(お気に入り)させていただきました^^)

さて、candidという単語は
率直である、偏見がない、スナップ写真という3つの意味を併せ持つことになります。
これらの意味は確かに似かよっていますが、では例えば試験の時にこの三つをそろって思い出せるかといえばむつかしい。
特に[率直」と「偏見がない」は少し離れている感じがします。少し距離があるというか。
だって世の中にはズケズケと率直に偏見を述べ立てるひともいるわけだし。誰とは云いませんが(笑)。

でもそれを一つの単語が担っているわけだから
今は3本の枝に分かれていても、枝分かれする前の根源的な幹の部分は共通するはずです。
もしもcandidと聞いてその幹の部分をイメージできれば、そこから自然と3つの意味を連想することが出来るでしょう。

そこで更に調べてみると、candidという単語は古語では「汚れのない」という意味だったらしい。
するとつまりこの単語は、「手が加わっていない」、「汚れていない」というのがもともとの意味で
そこから
1.率直な, 誠実な, ごまかしのない(←小細工していない)
2.偏見のない, 公平な        (←操作が加わっていない)
3.スナップ写真             (←無造作な)
という意味が派生してきたということがわかります。

ちなみに18世紀のフランスの啓蒙思想家ヴォルテールの小説に「カンディード」という作品があるそうで
人を疑うことを知らない純真な若者(その名もCandide)が辛酸のかぎりを舐め尽くして
「この世界に起きることは全て善である」という思想に決別するという物語だそうで
面白そうですね。岩波文庫に訳本が出ているようなので読んでみようかと思います。

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