2009/08/12

神様は標準装備

今朝車で通勤中に、先日ブログで書いた「アジア人にとって神様はオプション」というセンテンスをぼんやり思い出しているうちに、「標準装備」という言葉が天啓のようにヒラヒラと頭の上に舞い降りた(※)。
そうか。欧米人には神様が標準装備なのかもしれない。



I know jesus is on that mainline Tell him what you want Jesus is on that mainline Tell him what you want Jesus is on that mainline Tell him what you want Call him up and tell him what you want

(電話交換士) 「神様と通話可能です。お出になりますか? お望みは何なりと。 神様と通話可能です。 ご希望は何でしょう。 神様と通話可能です。 お望みは何ですか? 直接彼とお話下さい。

Well, the line aint never busy Tell him what you want Wo, that line aint never busy Tell him what you want Well, the line aint never busy Tell him what you want Keep on calling him up And tell him what you want

ええ。回線がつながっています。いつでもどうぞ。 お望みは何なりと。 ええ。回線はつながっています。 お望みは何なりと。 はい。回線はつながってますよ。 お望みは何ですか? しばらく彼とお話下さい。 お望みは何でも叶えてくれます。

Well, if you want his kingdom Tell him what you want If you want his kingdom Tell him what you want If want his kingdom Tell him what you want Call him up, call him up, call him up, call him up You can call him up and tell him what you want

はい。神の国がお入り用ですね。 ではそうおっしゃって下さい。 神の国がお入り用の方は 彼にそう伝えて下さい。 神の国に入りたい方は 直接彼にご相談下さい。 さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞ。 直接彼とお話下さい。

Well, if youre sick and wanna get well Tell him what you want Well, if youre sick and you wanna get well Tell him what you want If youre sick and you wanna get well Tell him what you want Call him up and tell him what you want

はい。ご病気の方は彼にご相談下さい。 ええ。早くよくなりたい方は彼にご相談下さい。 そうです。すぐによくなりたい方は直接彼とお話下さい。 どうぞ彼とお話下さい。

And if youre feeling down and out Tell him what you want And if youre feeling down and out Tell him what you want And if youre feeling down and out Tell him what you want Call him up and tell him what you want

落ちぶれて行き詰まった気分の時こそ 彼にご相談を。 滅入ってたまらないときは 彼と話をして下さい。 無一文でどん詰まりなら あなたの望みを言ってみて下さい。 彼にあなたの望みをご相談下さい。

I know jesus is on that mainline Tell him what you want Jesus is on that mainline Tell him what you want Jesus is on that mainline Tell him what you want Call him up, call him up, call him up, call him up Call him up and tell him what you want

はい。お出になります。 どうぞお話下さい。 イエス様とはつながっています。 どうぞお話下さい。 イエス様と通話可能です。 お望みは何ですか? さあどうぞ。さあどうぞ。さあどうぞ。 直接彼とお話下さい。
"Jesus On The Mainline" Ry Cooder 1973



脳を携帯電話に例えると、日本人の携帯では「神様」はオプションだけど、欧米人の携帯は神様が標準装備だ。
彼等に言わせれば、「神様」が標準装備なのはあまりに当然すぎて、「神様」の付いていない携帯なんて、ありえないわけだ。
日本人の携帯に神様が付いていないのを知った欧米人は、電話機能のない携帯を見るような目つきで、「アンビリーバブル」と言う。
ああ、それでようやく「信仰を持たない日本人」を彼等が見るときの目つきと、それを持っていないことでなんとなく後ろめたく感じる日本人の関係がわかった気がする。
主語を省略しない印欧語族の脳にはあらかじめ「神様」がインストールされており、主語を省略する日本人の脳には「神様」はインストールされていない。
インストールするためには別途購入が必要なのだ。 でもその必要を感じている日本人は1%に過ぎない。
ほとんどの日本人は「神様」というアプリの必要性を感じずに生活しているが、そんな日本人でも窮地に陥ると「ああ、こんなとき「神様」があったらなぁ」と思ったりする。日本人はこれを「困ったときの神頼み」と言う。
日本人は基本的に「神様」というアプリなしであまり困っていないし、「神様」というアプリの有効性を信じていないけれども、すごく困ると、このアプリがあったらいいのにと考える。 でも神様にお願いしても望みがかなえられることは少ない。 そんなとき日本人は「神も仏もないものか」と言う。
僕はむかし大学浪人で京都の近畿予備校という予備校に通っていたけど、この予備校には英語の橋本先生という老いた名物先生がいた。 この先生は熱心なクリスチャンで、英文解釈の授業中にしばしば宗教について言及し、キリスト教の信仰がいかに高邁で純粋であるか、それに対し日本人の宗教に対する態度を「御利益(ごりやく)宗教」であると痛烈に罵倒していた。
この先生は「~したまえ。」という口調が特徴的で、「諸君、猛勉(激しく勉強すること)したまえ。」という彼の口癖を、僕らはよく真似して仲間と面白がったものだ。
確かに日本人は宗教を道具と考えているふしがある。 ごりやくがあるかどうかが、「宗教」というアプリをインストールするかどうかの基準であり、役目が終わったらアンインストールするのだ(笑)。 欧米人には想像も付かないことだろう。

【追伸】 この文章を書いたあと、日本人にとっては神様はアプリでアンインストールできるけど、欧米人の神様はアンインストールできないということから、ひょっとすると欧米人にとって神様はOSなのかもしれないと思いました。OSを交換するということは人格の同一性が失われるということだもんね。
(※)それにしてもこういうひらめきはどうしていつもお風呂に入っているときや車を運転しているときにやってくるんだろう。こういうのは3B(Bus(車の運転中)、Bath(入浴中)、Bed(就眠中))の時に降りてくるというのは本当だな。

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